労務管理

退職金の計算方法|勤続年数・退職所得控除・税金の目安を整理

退職金の計算は、まず「会社からいくら支給されるか」と「受け取った退職金に税金がいくらかかるか」を分けて考えると整理しやすくなります。支給額は会社の退職金規程によって決まるため、全国共通の計算式だけで金額を断定することはできません。この記事では、確認すべき規程、勤続年数、退職所得控除、税金の計算例を順番に説明します。

退職金の計算をイメージした書類、勤続年数、計算機の編集イラスト
退職金は、会社の規程と税務上の計算を分けて確認します。

退職金の計算は「支給額」と「税金」を分けて考える

検索で「退職金 計算」と調べると、会社からもらえる総額を知りたい場合と、手取りや税金を知りたい場合が混在します。最初に次の2つを分けると、計算結果の意味を取り違えにくくなります。

確認する数字主な決まり方見る資料
退職金の支給額会社の退職金規程、基本給、勤続年数、ポイントなど就業規則・退職金規程・支給明細
税務上の退職所得収入金額から退職所得控除を差し引いて計算退職所得の申告書・源泉徴収票
最終的な手取り所得税、復興特別所得税、住民税などの条件を反映会社の税額計算・自治体の案内
重要:退職金の支給額は、会社が採用している制度によって大きく変わります。入力欄に給与と勤続年数だけを入れて、どの会社にも当てはまる金額を出すことはできません。

会社から支給される退職金の決まり方

会社の退職金制度には、基本給と勤続年数を組み合わせる方式、勤続年数や職位に応じたポイント方式、確定給付企業年金や中小企業退職金共済を利用する方式などがあります。同じ勤続年数でも、制度の種類と退職時の条件が違えば支給額は変わります。

退職金規程で確認する項目

  • 算定の基礎になる給与が、退職時の基本給か別の基準額か
  • 勤続年数を満年数で見るか、月単位・日単位まで反映するか
  • 自己都合、会社都合、定年、懲戒などで支給率が変わるか
  • 休職、出向、転籍、再雇用の期間を勤続年数に含めるか
  • 企業年金や共済から別に支払われる分があるか

勤続年数そのものを確認したい場合は、勤続年数計算ツールで入社日から基準日までを計算できます。ただし、退職金の判定基準日は会社規程を優先してください。日付計算の結果だけで制度上の支給額を確定するものではありません。

退職金の計算前に会社規程や勤続年数を確認するための書類とカレンダーの編集イラスト
支給額を知りたいときは、まず規程と支給条件を確認します。

退職所得控除の計算方法

退職所得控除は、退職金に課税される所得を計算するときに差し引く金額です。国税庁の案内では、勤続年数が20年以下か、20年を超えるかで計算式が分かれます。

勤続年数20年以下:40万円 × 勤続年数

勤続年数20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

計算した控除額が80万円未満のときは、原則として80万円が控除額になります。

勤続年数退職所得控除額の計算例
5年40万円 × 5年 = 200万円
10年40万円 × 10年 = 400万円
20年40万円 × 20年 = 800万円
25年800万円 + 70万円 × 5年 = 1,150万円

勤続年数の1年未満の端数をどう扱うかなど、税務上の計算にはルールがあります。短期勤続者、役員等、同じ年に複数の退職手当を受け取る場合は別の確認が必要です。

税金の対象になる退職所得の計算

一般的な退職所得の計算では、退職金の収入金額から退職所得控除額を差し引き、その残額の2分の1を退職所得として扱います。式だけを見ると簡単ですが、申告書の提出状況、過去の退職金、短期勤続や役員退職金の区分によって扱いが変わるため、手取り額までを一つの簡易式で断定しないことが大切です。

会社規程、勤続年数、退職金、退職所得控除の順に税務計算を整理した編集図
支給額を確認したあと、退職所得控除を差し引いて税務上の所得を整理します。
一般的な退職所得の計算イメージ
退職所得 =(退職金の収入金額 − 退職所得控除額)× 1/2

退職所得控除額を超えない退職金であれば、この式による課税対象の退職所得が0円になる場合もあります。ただし、実際の源泉徴収税額や住民税は、退職所得の申告書を提出したか、同じ年にほかの退職手当があるかなどで変わります。

計算例:勤続10年2か月、退職金500万円の場合

ここでは、退職所得控除と退職所得の関係だけを確認します。会社から支給される500万円が確定しており、税務上の勤続年数を11年として扱う前提の例です。実際の税額を示すものではありません。

項目計算結果
退職金前提として設定500万円
勤続年数10年2か月 → 税務上11年として確認11年
退職所得控除40万円 × 11年440万円
退職所得の計算上の残額(500万円 − 440万円)× 1/230万円
この30万円がそのまま最終的な税額になるわけではありません。所得税率、復興特別所得税、住民税、申告書の提出状況などを別に確認してください。

金額が分からないときの確認手順

  1. 退職金規程を探す:就業規則の別冊、社内ポータル、人事・総務の案内を確認します。
  2. 算定基準日を確認する:退職日、最終出勤日、規程上の基準日のどれを使うかをそろえます。
  3. 制度を分ける:会社からの退職一時金、企業年金、中小企業退職金共済などを別々に整理します。
  4. 支給額と税務書類を照合する:退職所得の申告書、源泉徴収票、支給明細の数字を確認します。
  5. 不明点は人事・総務や税理士へ確認する:制度規程が見つからない状態で、検索結果の平均額を自分の支給額とみなさないようにします。

勤続期間の確認には年数計算ツールも使えます。勤務・休暇に関するほかの計算は仕事・休暇の計算ツール一覧から確認できます。

よくある質問

退職金はいくらもらえるか、勤続年数だけで分かりますか?

分かりません。退職金の支給額は、会社の制度、基礎額、退職理由、支給率、企業年金や共済の有無などで決まります。勤続年数は重要な要素ですが、単独で全国共通の金額を出すことはできません。

勤続10年2か月の退職所得控除は10年ですか?

税務上の勤続年数は、1年未満の端数を切り上げて確認する扱いがあります。そのため、例として10年2か月なら11年として退職所得控除を計算します。ただし、会社の支給規程における勤続年数の扱いは別に確認してください。

退職金の計算シミュレーションは使えますか?

会社の算定式、支給率、基礎額、退職理由などを正しく入力できるシミュレーションなら、社内確認用の目安になります。一般的な給与と勤続年数だけで計算するツールは、会社制度を反映できないため、最終金額の判断には使わないでください。

退職金に税金はかかりますか?

退職所得控除を超える部分がある場合など、条件によって所得税や住民税の対象になります。退職所得の申告書を提出するかどうかでも源泉徴収の扱いが変わるため、会社から案内された書類と国税庁の最新説明を確認してください。

まとめ

退職金の計算方法を確認するときは、①会社の退職金規程で支給額を確認する、②勤続年数と退職所得控除を整理する、③税務書類を使って課税関係を確認する、の順番が安全です。「退職金 計算」という検索だけで平均額を当てはめるのではなく、自分の会社の規程と支給明細を基準にしてください。

この記事は一般的な情報整理を目的としたもので、個別の税務・労務判断を確定するものではありません。制度や税率は変更される場合があるため、手続き前に勤務先と国税庁の最新案内を確認してください。

参考情報

確認日:2026年8月6日。税務手続きでは、リンク先の最新情報を優先してください。

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