労務管理

出生後休業支援給付金とは?支給条件・計算方法・申請の流れを解説

出生後休業支援給付金は、子どもの出生直後に育児休業などを取得する人を支援する雇用保険の給付です。この記事では、誰が対象になりやすいか、14日以上・28日上限・13%という数字の意味、出生時育児休業給付金との違い、申請書と確認手順を整理します。最終的な受給可否や支給額は、勤務先と管轄のハローワークで確認してください。

出生後休業支援給付金の条件確認と申請の流れを表した育児、カレンダー、書類のイメージイラスト
出生後休業支援給付金は、休業期間、家族の要件、申請書類を順番に確認します。図は制度理解のためのイメージイラストです。

出生後休業支援給付金とは

出生後休業支援給付金は、子どもの出生直後の一定期間に、原則として両親がともに育児休業などを取得する場合に、出生時育児休業給付金または育児休業給付金に上乗せして支給される給付です。2025年4月から始まった制度で、育児と仕事の両立を支えることを目的としています。

大切なのは、「本人が育児休業を取った」だけで自動的に支給されるわけではない点です。雇用保険の受給資格、対象期間、本人の休業日数、配偶者の休業要件、休業中の就業や賃金の状況などをまとめて確認します。

先に結論:検索でよく見かける「14日以上」「13%」「最大28日」は制度の入口を理解するための数字です。個人の受給可否をこの3つだけで断定せず、勤務先の担当者と管轄ハローワークに確認してください。

支給条件をチェックするポイント

支給要件は、子どもの出生時期や取得した休業の種類によって確認方法が変わります。次の表は、公式資料を読むときの大まかなチェック順です。

確認項目見るポイント注意点
雇用保険の資格 育児休業給付または出生時育児休業給付金の受給資格があるか 雇用形態、加入期間、休業開始時期などの確認が必要です。
本人の休業日数 出生直後の対象期間に、育児休業などを通算14日以上取得したか 連続日数だけでなく、対象期間、休業の種類、就業日数も確認します。
配偶者の要件 原則として、配偶者も対象期間に14日以上の育児休業などを取得したか 一人親、配偶者がいない、配偶者が雇用されていない場合などの例外があります。
賃金・就業状況 休業中に支払われた賃金や就業日数が給付のルールに抵触しないか 休業日数だけで金額を確定できません。

配偶者が休業していない場合も対象になることがあります

原則は本人と配偶者の双方が休業要件を満たす形ですが、一人親世帯など、配偶者の休業を前提にできない一定のケースでは例外が設けられています。「配偶者が育児休業を取っていないから絶対に対象外」とも、「自分が14日取ったから必ず対象」とも言い切れません。家族関係や配偶者の雇用状況を含めて、公式の簡易診断と窓口で確認してください。

休業の開始日・終了日を日付で整理したい場合は、産休・育休計算ツールを使えます。このツールは日程確認用で、出生後休業支援給付金の支給可否や金額は判定しません。

支給額の計算方法と14日・28日の考え方

出生後休業支援給付金の支給額は、公式資料上、次の式で整理できます。

基本的な計算イメージ
支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給対象となる休業日数 × 13%

支給対象となる休業日数は、対象期間やほかの給付の支給日数などを踏まえて確認し、原則28日が上限です。

休業開始時賃金日額の例支給対象日数の例13%で計算した目安
10,000円14日10,000円 × 14日 × 13% = 18,200円
10,000円28日10,000円 × 28日 × 13% = 36,400円
12,000円28日12,000円 × 28日 × 13% = 43,680円
計算例の読み方:上表は制度の式を理解するための単純な例です。実際の休業開始時賃金日額、給付の対象日数、休業中の賃金、就業状況、各種上限などを反映した支給決定額とは異なる場合があります。
出生後休業支援給付金の休業条件、支給額計算、申請書提出を三段階で表したイメージイラスト
条件、金額、書類の順に確認すると、申請前の抜け漏れを減らせます。図は制度理解のためのイメージイラストです。

育児休業給付と合わせて80%になるケース

一定の要件を満たす場合、出生後休業支援給付金の13%は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金と合わせて給付率80%となるよう設計されています。ただし、実際に受け取る額は賃金の支払い状況や対象日数などで調整されるため、「誰でも休業前賃金の80%を受け取れる」という意味ではありません。

出生時育児休業給付金との違い

「産後パパ育休の給付金」と検索している人は、出生時育児休業給付金と出生後休業支援給付金を混同しやすいので、役割を分けて考えます。

給付主な役割ページ内での位置づけ
出生時育児休業給付金 子の出生後8週間以内に取得する出生時育児休業(産後パパ育休)に対応する給付 休業の種類を確認する基礎
育児休業給付金 通常の育児休業に対して支給される給付 出生後休業支援給付金と合わせて確認する給付
出生後休業支援給付金 出生直後に両親が休業するなどの要件を満たす場合に、上記の給付へ加算される給付 今回説明する追加の13%

たとえば、出生時育児休業を取った人は、まず出生時育児休業給付金の要件を確認し、そのうえで出生後休業支援給付金の本人・配偶者要件を確認します。制度名が似ているため、勤務先には「どの休業に対する、どの給付を申請するのか」をまとめて確認すると行き違いが減ります。

申請方法・申請書・添付書類

申請先は、原則として事業所の所在地を管轄するハローワークです。通常は勤務先が事業主経由で申請しますが、本人が直接提出できる場合もあります。まず会社の人事・労務担当者に、育児休業または出生時育児休業の申請と同時に給付手続きも行うかを確認してください。

主に確認する申請書

  • 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
  • 育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
  • 出生後休業支援給付金支給申請書(育児休業給付金または出生時育児休業給付金と別に申請する場合など)

どの書式を使うかは、取得した休業の種類、初回申請かどうか、先に別の給付の支給決定を受けているかによって変わります。申請書の名称だけで判断せず、厚生労働省の帳票一覧とハローワークの案内を確認してください。

添付書類は一律ではありません

賃金月額の証明、休業期間、出生や家族関係、配偶者の要件を確認する資料などが必要になることがあります。必要書類は個別の事情や申請方法で変わるため、ここで「この書類だけで足りる」と断定しないことが安全です。勤務先から案内された書類と、管轄ハローワークが求める追加資料を照合してください。

申請の基本的な流れ

  1. 休業の種類と取得日を会社に確認する。
  2. 本人の14日以上、配偶者の要件、例外事由を確認する。
  3. 育児休業給付または出生時育児休業給付金と、出生後休業支援給付金の申請書を確認する。
  4. 賃金・休業・家族関係など、案内された資料をそろえる。
  5. 勤務先または本人から、事業所所在地を管轄するハローワークへ提出する。

申請前の確認チェックリスト

チェック確認する内容確認先
本人の育児休業・出生時育児休業の日付と通算日数勤務先、休業申出書、勤怠
配偶者の休業日数、または配偶者要件の例外に該当する事情勤務先、ハローワーク
出生後休業支援給付金と同時に申請する給付勤務先、申請書
休業中の就業日数・時間と支払われた賃金勤務先、賃金台帳
申請期限、提出者、振込口座、追加書類管轄ハローワーク

日程だけを確認したい場合は、産休・育休計算ツールで出産予定日や実際の出産日を基準にした目安を整理できます。給付の要件確認には、厚生労働省の出生後休業支援給付の簡易診断も利用できますが、最終決定は窓口の確認を優先してください。

よくある質問

出生後休業支援給付金は誰が対象ですか?

雇用保険の育児休業等給付の要件を満たし、出生直後の対象期間に本人が通算14日以上の育児休業などを取得するなど、所定の条件を満たす人が対象です。配偶者の休業要件や例外もあるため、個別の受給可否は勤務先と管轄ハローワークで確認してください。

14日以上の休業は連続して取得する必要がありますか?

制度上は対象期間内の通算日数で確認する考え方です。ただし、対象となる休業の種類、就業日数、賃金の支払い状況など別の要件もあるため、14日だけで支給が決まるわけではありません。

配偶者が育児休業を取っていない場合は対象外ですか?

原則は配偶者の休業要件も確認しますが、一人親世帯など一定の例外があります。配偶者がいない、雇用されていないなどの事情を含め、公式の簡易診断とハローワークで確認してください。

出生後休業支援給付金はどのくらいもらえますか?

基本的な計算イメージは、休業開始時賃金日額に支給対象となる休業日数と13%を掛けます。支給日数は原則28日が上限ですが、実際の支給額はほかの要件や休業中の賃金によって変わります。

申請書はどこに提出しますか?

原則として事業所の所在地を管轄するハローワークへ提出します。勤務先が手続きを行うケースが一般的ですが、本人が直接提出できる場合もあるため、使用する申請書と提出者は勤務先またはハローワークで確認してください。

このページで支給額を確定できますか?

できません。ここで示した式と金額は制度の理解用の例です。休業開始時賃金日額、対象となる休業日数、賃金の支払い、雇用保険資格、配偶者要件などを反映した支給決定は、勤務先と管轄ハローワークが行います。

まとめ

出生後休業支援給付金を確認するときは、まず本人の休業日数、配偶者の要件、例外事由、休業中の賃金と就業状況を順番に整理します。計算は「休業開始時賃金日額 × 対象日数 × 13%」が基本ですが、支給日数は原則28日が上限で、14日以上だけで受給が決まるわけではありません。

休業日程は産休・育休計算ツール、制度と申請書は厚生労働省・ハローワークの公式資料、最終的な個別判断は勤務先と管轄ハローワークで確認しましょう。

参考情報

関連する計算ツール・ページ

産休・育休計算ツール

出産予定日や実際の出産日をもとに、産前産後休業・育児休業の日程目安を確認できます。

仕事・休暇の計算ツール一覧

勤務日数、休業期間など、仕事と休暇に関する日付・日数計算を確認できます。